【実録】Wixと独自ドメインでのSPF・DKIM・DMARC設定とメール認証の仕組み(サクラサーバ併用時の注意点)
- kpcsupport
- 5 日前
- 読了時間: 3分
こんにちは。羽曳野市コンピュータ係の久保田です。
今回は、自社ドメイン(compkakari.com)を使ったメール送信に関する技術的な取り組みについて、記録も兼ねてまとめておきます。Wixとさくらインターネットのサーバーを併用している中で、Gmailにメールが届かない問題に直面し、原因を整理して対応したプロセスです。
■ きっかけ
Wixで会員ページを設け、顧客に「修理完了などのお知らせ」をメールで送る仕組みを作りました。ところが、テストしたところGmailで迷惑メールフォルダに入るという問題が発生。
調査の結果、SPF・DKIM・DMARCと呼ばれるメールの「なりすまし防止(認証)」の設定が不十分だったことがわかりました。
■ SPF・DKIM・DMARCとは?
SPF → そのドメインのメールを送信してよいサーバー(IP)を示す仕組み
DKIM → メール本文に電子署名をつけ、改ざんやなりすましを防止する仕組み
DMARC → SPFとDKIMの結果を総合し、受信側にどう扱うべきかを示すポリシー
この3つを適切にDNSに設定することで、Gmailなどの受信サーバーが「このメールは正当だ」と認め、迷惑メール扱いしにくくなります。
■ 今回行った設定
1. Wix側のDNSにSPF・DKIM・DMARCを設定
SPF
ini
コピーする編集する
v=spf1 include:_spf.wix.com ~all
→ Wix経由のメール送信を許可
DKIM→ さくらインターネットから公開鍵を取得し、Wix DNSにTXTレコードとして登録
DMARC
ini
コピーする編集する
v=DMARC1; p=none; rua=...
→ まずは記録だけ行い、迷惑メール扱いはしないポリシー(p=none)を設定
2. テスト送信(Wixからの会員宛メール)
結果 → 迷惑メールに入らず、Gmailで正常受信されるようになった
■ ここで発覚したもうひとつの問題
その後、Outlookから独自ドメインのメールを送信(さくらサーバー経由)したところ、依然としてGmailで拒否・迷惑メール扱いされる事態が発生。
原因は明確で、
WixのDNSに設定したSPFには「さくらサーバー」が含まれていなかったため
というものでした。
つまり、サクラのサーバーも許可するようにSPFを追加する必要があることが判明しました。
makefile
コピーする編集する
v=spf1 include:_spf.wix.com include:_spf.sakura.ne.jp ~all
のように、Wixとサクラ両方の送信サーバーをSPFに記述することで、Outlookからのメール送信も正常化できます。
(※サクラのメール送信用SPF記述は後日サクラ側で正確に確認する必要あり)
■ 結論
今回のケースをまとめると以下のようになります。
Wixからの会員宛メール通知は、DNSに正しくSPF・DKIM・DMARCを設定すれば問題なし
ローカルPCからサクラのSMTP経由で送信する場合は、さらにSPFを拡張する必要がある
■ 今後について
さくらサーバーのSPF設定を正確に反映させることで、Outlookなどからの送信も迷惑メール判定されない環境を整える予定です。このあたりは続編記事としてまたまとめたいと思います。
コメント